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自作 PC への道 1

パーツを取り付けるためにケースを穿つ

お品書き

  1. 自作 PC への道 1 – パーツを取り付けるためにケースを穿つ (いまここ)
  2. 自作 PC への道 2 – 高速化路線 m.2 RAID に乗る
  3. 自作 PC への道 3 – HDD キャッシュ増大
  4. 自作 PC への道 4 – 謝罪会見
  5. 自作 PC への道 5 – ベンチマーク (予定)

PC がもっさりしてきた。

Firefox で数十枚のタブを開いてウィンドウ移動させたとき。圧縮された画像ファイルの書庫をページ送りするとき。動画を早送り再生したとき。

いつもの 5 倍くらいの重力を感じる。感覚的に 2D 系の処理が重いような気がするんだが。

裏で Windows Update が走るとアホみたいにあらゆる動作が重くなる。

微妙に回線速度が原因である可能性もあるが、ゴミファイルやフラグメンテーション(デフラグするとある程度解消される、あれ) などで OS 自体が汚染されてきたためかもしれない。一縷の望みをかけて Windows 10 64bit 版を新規インストールした。

裏で Windows Update のインストーラが走っていると、フリーズしたかと思うくらい処理が遅くなる。昔はこんなこと感じたことがなかった……いやあったか?

うーん、思い出せない。ノートPC を省エネモードにしていることに気づかずアップデートかけたときも遅いし、会社で使っている私の PC だけやけに遅い (個人でセキュリティ系を厳しているからかもしれない)。

PC の CPU 使用率は重い時でもせいぜい 30 ~ 40% といったところで全然余裕がある。他のアプリを使っても 50% は超えないのに、何故か重い。タスクマネージャを開くのにも 1 分かかることがあって、明らかにおかしい。

OS やアプリの処理が年々重くなってきたとしか思えない。 CPU の処理速度が時代にそぐわなくなってきたか。まだ 3 年は頑張れると思ったのだが、どうやらここまでのようだ。

自作 PC のコンセプトを決める

何をするにも目的が必要だ。目的がなくては船が山に登る。 PC を自作する場合もコンセプトがいる。仕事するふりをしつつ自分が何を重視したいかを小一時間ほど問いかけたところ天啓を得た。

ストレージの転送速度だ。

現在は SSD 3 枚で RAID 0 を構築しているので、読み込み速度に関してはそれほど気になったことはないのだが、だからこそ今回もファイルを扱う速度を重視したい。

SSD 3 枚の RAID 0 で Read 700 [MB/s] くらいのベンチマークになる。

SATA 3Gbps の実行速度が 300 [MB/s] で、 SATA 6Gbps の実行速度が 600 [MB/s] なので、時代遅れの M/B にしては頑張っている方だろう。

強いて言えば今使っているマザーボード P7P55D の SATA 規格が 3Gbps 時代のものなので、 HDD へのアクセスが遅いと感じるくらいか。諸事情で USB3 拡張ボードが使えなくなったので、外付け HDD は USB2 の転送速度かつ暗号化がかかっていて、とても遅い。

そういえば、かつて i-RAM と呼ばれるストレージがあった。メモリを 4枚 だか 8枚刺しして RAID を組むことができ、 OS のブートができるストレージ環境だ。

メモリ上の読み書きは高速で、いまでも憧れの存在だがなぜか販売中止になってしまった。メモリが巨大化したこの時期にこそ必要じゃないかと思う商品だが、当てもなく再販を待つわけにもいかない。

となると選択肢は今はやりの m.2 ということになるだろうか。

m.2

PCI Express x4 の転送速度を持った恐るべきストレージ。

Intel 600p シリーズの 256GB 版は単体で Read 1570 [MB/s]、 Write 540 [MB/s] の速度をたたき出す。

CPU は最新世代を選ぶとして、それらに対応する M/B にはたいてい m.2 スロットが搭載されている。

まず CPU から決める。

ある程度性能を求めるなら AMD Ryzen 7 か Intel Core i7 になるが、 PC の用途としてはシングルスレッド性能が高い方がいいから Intel Core i7 から選ぶことになる。と言っても予算の兼ね合いから Core i7 7800X BOX の一択だ。

同時期に Core i7 8700 が出たが、電力消費と発熱がすごすぎて候補にも上らない。

CPU レーン数について

後でストレージの転送速度に関係してくる話になる。

Intel Core i7 7000 系の PCIe レーン数は 28 本。ここ重要なのでテストに出ます。

M/B の PCIe x16 スロット 1 個がグラフィックボードで埋まるとして、空いた PCIe x8、 PCIe x4 の 2 本が使えるはず。

拡張できるスロットが 2 本あれば十分だろうと考えるが、レーン数に関してはわかっていない部分がある。

例えば m.2 スロットは PCIe x4 相当なので、 m.2 スロットを使う場合は、

A. m.2 x4, PCIe x16, PCIe x8

になるのか、それとも m.2 は考慮せずに

B. m.2 x4, PCIe x16, PCIe x8, PCIe x4

になるのか。

ASUS マザボのユーザーズマニュアルを見ると、 m.2 スロットを使うと SATA 1 スロットが SATA モードで使えなくなるという記述はあったが、 PCIe の方が影響を受けるという文章は見つからなかった。

たぶんケースB に相当するスロットが使えるんじゃないかと思うのだが、実はケースA になるのが一般常識で、スロット 1 本だけしか使えないということにならないだろうか。

※ 何言ってんだオメエと思った人は、要はスロットいっぱい使いたいけど 1 本くらいしか使えないかもしれない話だと思ってください。

今回自作したら今後 5 年間は更改するつもりがなく、その間に不測の事態が 2 回あったときにどうなるか不安だ。

将来のことを考えるならいっそ 44 レーンの Core i9 を買えばいくらでもスロット使えると血迷ったが、打ち出の小槌は出生直後に壊れたので諦めた。

今後 PCIe スロットを拡張するような事態にならないことを祈るしかない。

さて、 PCIe x16 スロットは下位互換性があって PCIe x1 のカードでも刺すことができる。となれば、マザボのスロットはすべて PCIe x16 になっているのが理想だ。

あと Windows 10 Pro の Hyper-V 機能を使って仮想 PC でサーバを立てる予定だから LAN 端子は 2 個いる。LAN 端子が 1 個でも仮想サーバへのリーチは問題ないはずだが、仮想スイッチを割り当てるために専用の LAN 端子 (アダプタ) が欲しい。その方が機能的に美しい。

仮に LAN 端子が 1 個の場合、 PCIe の LAN ボードで増設することになる。たかだか LAN 端子のために PCIe スロットを占有するなど論外。 PC の拡張性を半分にする暴挙だ。

なので、最初から LAN 端子が 2 個ついている M/B を選ぶことになる。となると、 ASUS TUF X299 MARK 1 か。

くっそ高くて 4 万円もしやがる。やまだかつてこんな金額でマザボを買ったことがないからすごく躊躇する。だが、7800X に対応する X299 チップセットの M/B の価格帯は 32,000 以上。これでも低~中価格帯に分類されるのだ。

CPU とマザボだけで 9 万近い出費に早くも心が折れそうだ。

そういえば CPU クーラーもいるんだった。一昔前なら CPU には CPU クーラーがついてきたから、クロックアップしなければ十分だったが 7800X にはそれがない。

7800X は発熱もすごいらしいから空冷では間に合わないかもしれない。簡易水冷の CPU クーラーをいくつか並べて候補にした。

実はクーラーに 10,000 円の大台を投資するにもかなりの心理的抵抗があった。だが、お高い CPU を高熱でお釈迦にするのは絶対に避けなくてはいけないため、低価格重視の線はなかった。

人間とは不思議なもので、価格比較、性能比較をしていく最初に持っていた金銭感覚が麻痺しげくる。

そのうち、これくらいなら安いかもと思う金額が当初予定していた金額の 2 倍以上、ということは珍しくない。

コストを気にする人であれば、まず製品を見比べることで価格帯と性能の基準値をセットするだろう。その範囲に含まれるものを低価格重視か、性能重視か、バランス重視かで選ぶことになるが、どう考えてもそれが罠。

ファンの性能はだいたい似たり寄ったりだ。かなり冷えてうるさいか、ほどほどに冷えてうるさくないか。前者は Core i9 クラスのクーラーだろうから、バランス重視でピックアップして、ケースと同じメーカーだから MasterLiquid 240 にしようかなと考えていたら上位製品の MasterLiquid Pro 240 が一瞬だけ 4,000 円近く値下がりして 14,000 円になった。 MasterLiquid 240 が 12,000 円だから衝動的に発注してしまった。高耐久を謳った Pro だから 2,000 円の付加価値はあるだろう。

CPU、CPU クーラー、マザーボードが決まった。これで自作 PC の 8 割が決まったと思っていい。残りはどういうオプションを付けるかだけだ。

購入パーツ1 (Main)

パーツ 金額 備考
Intel Core i7 7800X BOX 43,000 6コア/3.5GHz/140W/28レーン
ASUS TUF X299 MARK 1 42,000 LAN 端子 2 個。 m.2 スロット 2 個。高耐久が謳い文句
Cooler Master MasterLiquid Pro 240 14,000 高耐久ポンプ。どうせ数年で内部が腐食する
合計 99,000

新旧 CPU でどのくらい性能が上がるか Passmark サイトのベンチマークを見てみた。

新旧 CPU Passmark ベンチマーク

CPU CPU Mark Single Thread Performance メモ
Intel Core i7 7800X 14,733 2,251 3.5GHz, TDP 140W, 2017年
Core i7 860 5,043 1,227 2,8GHz, TDP 95W, 2009年

CPU のトータル性能で 2.9 倍、シングルスレッドの性能で 1.8 倍になる。 8 年の歳月がありながらそれだけかと思わないでもないが、 CPU 性能だけにこだわってみても意味がない。トータルバランスが大事だ。

それにしても CPU クーラーが 14,000 円……かつてでかい空冷に 6 千円くらい出したのが最高なはず。ふと我に返ったこの瞬間に後悔したが、先に立ってくれなかったのでしょうがない。まあいいか。

取り付け位置を確認しなかったが、既存の PC ケースは Cooler Master の CM Stacker STC-T01-UW1 というフルタワーだから大丈夫なはず。

家に帰って PC ケースの天板部分を見たところ 8cm ファン用の穴が一つしか空いてなかった。冷汗が出た。

MasterLiquid 240 シリーズは 12 cm ファンが 2 個分の設置スペースがいる。

無理やり 8cm 角の穴に取り付けたとして、ファン 1 個分の冷却効果もなさそう。 MasterLiquid 120 シリーズは 12cm ファン 1 個で冷却効果は十分だが、この場合穴が小さいから冷却効果はどのくらいになるのか読めない。 8 割くらいか?

ケース上部に収納された電源を取り外してみた。 PC ケースの真ん中に鉄のフレームが横たわっており、 MasterLiquid Pro 240 を取り付けるスペースがない。物理的に不可能。

これはまずいw

いっそ穴から CPU を冷却するヘッドだけ入れ、ラジエーターは外付けにするか? それにしても穴は必要だからラジエーターは横置きにになるか……それはない。

こうなれば PC ケースを新調するか、思い切って穴を開けるか。

PC ケース加工

結論として後者を選択。 PC ケースはペラいアルミ製で家にはミニルーターがある。切断用ビットを買えば切断は可能と判断した。

amazon でダイアモンドホイールを購入しつつ、待つ間に PC ケースの用意をしておく。

ビスを一本一本取り外し、すべてのパーツを取り払う。

家の外で基板の埃をプラスチックのブラシで丹念に払い、ファン内部にはエアダスターを吹いた。気分は年末大掃除だ。

そうこうしているうちに商品が届いた。

まず、 MasterLiquid の取り付けを物理的に阻害する鉄のフレームを切断することにした。

発注したダイアモンドホイールをつけたミニルーターを邪魔なフレームに当てる。ケース内部は狭いので角度調整に一苦労だ。なるべく垂直になるよう歯を押し当てて回転数を上げていくと鉄粉が舞い落ちた。

まず、削れる音が煩い。

鉄は柔らかいとか聞くが、悪い冗談だ。鉄は固い。これ真理。文字通り歯が立たない。だが、鉄粉が出るということは、多少なりとも削れているということで根気よくやろう。

モーターが焼き付かないよう休み休み、ときおり削りカスを掃除機で吸い取る。いつも煩いと言っていた吸引音が、赤子の安眠を妨げないレベルの音にしか聞こえない。耳の遠いじじいになった気分だ。そういえば最近老眼の疑いが……

少しずつ切れ込みが入っていくが、今度は歯が引っかかって止まるようになった。角度がつかないようにまっすぐに当てる。

切断箇所は 2 箇所。フレーム 1 本を 1 時間くらいかけて切り取った。

騒音で頭が痛くなってきた。だが作業は始まったばかりだ。やることはまだまだある。

天板の穴あけだ。天板に 12cm のファンを並べて墨付けをする。

開口部を決めたらおもむろに回転歯を入れる。厚みのないアルミ素材だから余裕だろう思ったのが大きな間違い。面に対して歯を入れて削るため、むしろフレームを切断したときよりも煩い。悪いことに、フレームを切断したときよりも頻繁に停止する。

アルミは柔らかいとか聞くが、冗談ではない。厚みのあるアルミは固い。これ真実。鉄に比べて疲労強度が低いとか、単位質量あたりの強度が云々とかいう話はあるのだろうが、厚みがあれば十分固い。

ミニルーターがびっくりするほど役に立たないので、インパクトレンチに無理やりダイアモンドホイールのビットをつけて天板に押し当ててみた。結果、驚くほど簡単に歯が入った。軸がぶれぶれで実用的ではなかったが、必要なのはトルクであって回転数ではないと分かった。

ミニルーターではトルクを出すことはできない。本格的なルーターか別の工具が必要だ。

マキタのインパクトレンチのバッテリーを使い回すという意味では、ニブラやストレートシャーを購入するのが正解なのだろう。だが、今後金属板を切断する機会がどれほどあるのか。

ここはトルクのあるドレメルのルーターが良いだろうということで Amazon で購入。 15,000 円也。普通にケース買った方が良かったのではという疑念を頭の隅に押しやる。

ルーターが届くのを黙って待っているのも芸がないので、ゲーミング PC よろしくケース内を LED で光らせてみたり、配線を裏に回してエアフローを良くしてやろうと考えてファンやら延長コードやら布団とパネルやらを注文したら 15,000 円を超えた。

どういうことだってばよ?

気にせずルーターが届いたので同じダイアモンドホイールを当てたら火花が出た。ミニルーターでは火花なんて出たことがない。明らかにトルクが違う。騒音もより増した。最高速だと上下階層の住人からすぐさま苦情がくるレベルだ。 15,000 回転ほどに落として削った。片穴 1 時間くらい。ルーターが持てなくなるほど熱くなったので、ほどほどに休みつつやったので時間がかかった。

費用対効果を考えたらケースを買った方が良かったかもしれない。いや、自分を偽るのをやめよう。

ケースは加工するより買った方が良い。

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