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混雑する無線 LAN と対決

結婚を期に引っ越した。

夏ごろから大き目のマンションが隣接している地域に住み始めたのだが、 2.4 GHz 周波数帯の混雑度合いがハンパなかった。

2014 年の無線 LAN 事情

2014 年ころまでの無線 LAN 事情は 2.4 GHz 周波数帯のせめぎ合いになっている、と言ったら言い過ぎになるだろうか。しかし、ブロードバンドルータ (親機) が 2.4 GHz / 5 GHz に対応していても、子機側が 2.4 GHz にしか対応していないことが多いのだから、結局はそうなってしまうのだ。

2.4 GHz 子機の例

  • 普通のノートパソコン
  • 大半のゲーム機
  • iphone4 あたりまでの機種

おそらく 2014 年までの無線 LAN 機器のうち 8 割以上が 2.4 GHz 周波数帯を使っている。勝手に思っているだけだが。意識しないで無線を使っている人は、ほぼ確実に 2.4 GHz で通信していると思っていい (言いすぎ)。

かく言う私も 2.4 GHz の利用者で、引越し先ではリビングに無線の親機、各自の部屋にノート PC といったごく一般的な構成でインターネット接続している。

ノート PC はウェブ検索に使っているくらいなので、遅くても問題はない。だが、メイン PC で GB 単位の スカイリム MOD とか落としていると、時おり途切れる無線 LAN にイラつくことがある。

だったら LAN ケーブルを配線すればいいじゃないかと思うかもしれないが、親機が LAN ポートのない mobile cube を使っているので、無線以外の選択肢は存在しない。

※ 親機 mobile cube 。子機 PLANEX GW-USFang300 。この組み合わせで 2.4 GHz 通信。mobile cube の場所が固定されているので USB 接続は 不可。

問題なのは、自室でメイン PC をいじっているときに無線 LAN が切断された挙句に再接続できず、いちいち対処しなければならないことだ。

無線 LAN の不具合解消手順

  1. 付属の無線 LAN ユーティリティでアダプタを無効 ⇒ 10 秒待つ ⇒ 有効
  2. USB デバイスの取り外し ⇒ USB ケーブルを抜く ⇒ 10 秒待つ ⇒ USB を接続する
  3. USB ケーブルを抜いて再起動 ⇒ デスクトップが表示 ⇒ USB を接続

運が良ければ 1 でつながり、最悪なら再起動する羽目になる。 1 と 2 の複合で OK の場合もある。何なんだ。

ちなみに、会社から帰宅して、電源を切った状態からメイン PC を立ち上げると、ほぼ確実に接続できない状態に陥る。電源が切れている状態でも子機が電波を拾って不具合を起こしているのか、 3 の手順を実行しないとまずつながらない。

同じ場所 (自室) でありながらノート PC ではあまりそういったことはない。 SSID を調査する inSSIDer というツールで、リンクスコアは 10/100 くらいだ。これで良くつながるな……たぶんギリギリ通信できているような状態だ。

メイン PC の不具合も、どうやら 2.4 GHz 周波数帯の混雑に原因があるようなのだ。

2.4 GHz 周波数帯はおおよそ 1 ~ 13 のチャンネルが利用できることになっている。電波干渉を起こさせないためには 6 チャンネル分空ける必要がある。例えば 3 人のユーザが規則正しく 1 / 7 / 13 のそれぞれのチャンネルを使っていれば、電波は干渉せず、快適に利用できる。しかし近所の 2.4 GHz 利用者は 3 人だけではない。

家で使っているチャンネルを仮に 5 チャンネルとしよう (mobile cube は利用チャンネルが自動で変更されるが)。周波数がもろに干渉する 3 ~ 7 チャンネルを使っているご近所さんが 6 人くらいる。しかも、同じ 5 チャンネルを使っている人までいる。さらに、電波強度が自分の親機よりも強い

これはひどい www

だったら 5 チャンネル以外に変えればいいだろと言う人がいるかもしれないが、どこのチャンネルにしたって同じである。

専用のツールでワイヤレスアクセスポイントの一覧を開くと 18 くらい表示される。しかしこれは序の口。しばらく眺めていると「俺たちも忘れちゃ困るぜ」と言わんばかりに倍以上に増えるのだ。消えろスライムどもめ。

しかも、利用チャンネルを眺めていると全チャンネルが使われているではないか。つまり電波干渉せずに無線 LAN を使うことは不可能ということだ。

そんなわけで 802.11 b / g に見切りをつけて、今もっとも Hot な規格である 802.11 ac (5GHz) を試すことにした。

5 GHz は障害物に弱い。ということは、子機の場所が隣の部屋であっても、電波が減衰して通信速度の低下を招くが、集合住宅などの電波が干渉しまくってる環境に住む人にとっては返ってそれがメリットになる。個人的に、集合住宅向けと思っている。

2.4 GHz は障害物に強い故に離れた部屋にも電波が届きやすく、結果、集合住宅では電波干渉を引き起こす要因になる。個人的に、田舎の一軒屋向けと思っている。

mobile cube を AirStation で中継する

家のインターネット回線は WiMAX だ。しかも持ち運びに特化した mobile cube の自宅使用である。旅のお供にはいいけど、一度光回線の速度を知った身には遅いと感じてしまう。 2 年縛りが終わったら解約して光にしよう。

それはともかく、 mobile cube はインターネット側の通信速度を上げるためにリビングの窓にテープで貼り付けてある。

設定をいじって LAN 側の電波を「強」にしているのだが、リビングで使う分には申し分ないものの、それぞれの部屋で使うには電波強度が弱く、下手をすると近隣住人の電波と干渉して通信障害を起こすのは前述の通り。

何とかならんものかと無線ブロードバンドルーターの最新機種を眺めていたら中継機能というのがあった。こっ、これは…… mobile cube の貧弱な電波と AirStation を接続し、無線 LAN 側は電波干渉のない 5 GHz で悠々と通信できるのでわないだろうか。

本当にそうならばお金を出してもいい。しかし高価な無線ルータを購入するとしたら 1 年でも長く使いたいと思うのは本能のようなもので、将来性を考えて、アンテナ本数が多くて ( 5 GHz × 3 本、 2.4G Hz × 3 本 )、かつ最新規格の 802.11 ac に対応する製品を物色。リビングに置くのでデザインのスッキリしている以下の 2 つを候補にした。

  • Buffalo AirStation HighPower Giga WZR-1750DHP2 \15,000 くらい
  • NEC Aterm WG1800HP PA-WG1800HP \12,000 くらい

性能的には同等のようだが、前者は値段が高く、後者はファームウェアに問題がありそうだ。どうせなら問題なく使いたいので、高くても AirStation WZR-1750DHP2 がいいかなぁと考えた。

AirStation HighPower Giga WZR-1750DHP2 の設定

というわけで買ってみた。

箱を開けるとマニュアルがペラいチラシだった。エコのブームに乗っかった結果なのか、費用削減なのかは知らないが、ホームページで機能をチラ見しただけの人間には、どうやって中継設定をすればいいのか分からない。

mobile cube には無線を自動で接続してくれる WPS 機能なんぞないので、手動で設定しなければならないのだ。

しょうがないのでググって Buffalo の設定ページを探し当てた。さすが google 先生。頼りになる。中継機能の設定方法に従って mobile cube と AirStation 間の中継設定をする。

1. 設定用 PC の設定 (まだるっこしい)

AirStation の本体裏のスイッチを WB 側に切り替える。

切り替えてから一応電源の抜き差し。 AirStation が安定するまでしばらく待つ。

AirStation の LAN ポートに PC を LAN ケーブルで接続する。

WB モードはワイヤレスブリッジモードのことで、つまり AirStation は HUB 扱いになる。管理画面への IP アドレスも違ってくる。

ルータモードの IP アドレス 192.168.11.1
ブリッジモードの IP アドレス (有線推奨) 192.168.11.100

設定用 PC へのローカルエリア接続設定例

IP アドレス 192.168.11.101
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ 空白
DNS 空白

AirStation のデフォルトのセグメントが 192.168.11.0/24 なので、 PC 側のローカルエリア接続も同一ネットワークになるよう手動で設定しないと、管理画面にアクセスできない。

以上で ping 192.168.11.100 が通るようになる。

2. AirStation の設定ツール (管理画面) で設定をする。

設定前に mobile cube の接続情報を確認 (以下は例)

ネットワーク名(SSID) (mobilecube)012345
認証方式 WPA2-PSK
暗号化方式 自動
Wi-fi パスワード ********

2-1. ブラウザで http://192.168.11.100 にアクセス。

2-2. ログインして [詳細設定] – [無線設定] – [中継機能] – [手動設定をする] のボタンをクリック。

2-3. mobile cube の SSID 「(mobilecube)012345」を選択する。

2-4. 認証方式と WPA-PSK (パスフレーズ) 等を入力して「決定」ボタン。

2-5. [左メニュー] – [中継機能] のところに、上記 SSID が表示されていれば OK。

AirStation の LAN ポートに古いノート(EeePC) を接続して NAS 扱いにしようと思っている。

以下の設定で全てを同一セグメントに所属させた。あとは AirStation の時刻合わせ用にデフォルトゲートウェイを設定している。

2-6. [LAN] – [LAN] から IP アドレスを 192.168.1.100。サブネットマスクを 255.255.255.0。 NTP 設定としてデフォルトゲートウェイを 192.168.1.1。 DNS(プライマリ) も同上で、セカンダリは空白。

家庭内 LAN 環境


               無線 2.4 GHz                無線 5 GHz
[mobile cube] ============= [AirStation] ============ myPC
192.168.1.1                       |                  192.168.1.2
                                  |         有線
                                  +------------------- サーバ
                                                     192.168.1.254

※ 設定が完了したら AirStation の電源を抜き差しすること

中継設定をしたら AirStation 再起動をしないと、無線の myPC から有線のサーバに ping が飛ばなかった。ミスらしいミスはないのに何故 ping が飛ばないのかと、原因を突き止めるのにえらい苦労した覚えがある。再起動したら OK ってなんだそりゃと言いたい。

3. クライアント PC のワイヤレス設定。

5 GHz 用のワイヤレスネットワーク接続に (mobilecube)012345 が表示されていれば OK。リンクスコアは 95/100。やった。

2.4 GHz にも (mobilecube)012345 があり、これは中継されたものだろう。こちらのリンクスコアは 55/100 と少し良くない。

5 GHz 用に子機も買ったことだし、せっかくだから 5 GHz で通信したいので、 スコアの高い SSID を選択して「接続」する。パスワードは mobilecube や AirStation に入れたものと同じ。自動接続はチェックしておくと幸せになれる。

IP アドレスの設定は、 mobile cube が自動割り当てしてくれるので「IP アドレスを自動的に取得する」で十分だが、手動で設定したければ以下のように、ルータのセグメントに合わせる必要がある。

ワイヤレス設定例 (手動の場合)

ワイヤレス接続のパスワード mobile cube のもの (Air Station に入力したもの)
IP アドレス 192.168.1.2
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ 192.168.1.1
DNS 192.168.1.1
5 GHz の利用状況まとめ

宅内環境を 5 GHz にしてみたわけだが、それなりの効果はあった。

  • リビングから扉 2 つ隔てただけの部屋のノート PC で、リンクスコアは 95。たまに切断されるのが不明だ。
  • 部屋の外に子機を出して USB 延長ケーブルで接続したメイン PC はとてつもなく快適。ほぼ MAX で接続。しかし切断されることがある。
  • 他人の 5 GHz の SSID はほぼ検出されず。たまに同じ人の SSID (NETGEAR さん) が検出されることがあってもすぐに消える。
リビング     |               | 自室                                 
             |               |  ● ノートPC + ELECOM WDC-433SU2MBK  
AirStation   |               |                                      
     ●      |               |    +--------------------● メインPC  
             +===============+==扉|=================================
             扉      廊下         ● USB 子機 PLANEX GW-450D KATANA 
             +======================================================
             |                                                      
mobile cube  |                                                      
●           |                                                      
2.4 GHz の利用状況まとめ

ノート PC を 2.4 GHz の SSID に接続したときも安定している。

基本は 5 GHz で接続して、つながらなくなったときに 2.4 GHz に接続することにした。

良く良く考えれば 2.4 GHz をハイパワーで使っているので、近隣環境を汚染していることになる…… mobile cube の電波を弱にして、 AirStation の 2.4GHz 中継を無効化すればいいのだろうが、 2.4 GHz しか使えないノート PC があるからそれもままならない。

こうして 2.4 GHz 帯は汚染されていくのだなぁ。

ま、いいか。

子機が検出する SSID 名(おまけ)

子機側/親機側 mobile cube AirStation
2.4 GHz のみ
対応のデバイス
(mobilecube)012345
・ 802.11 b/g (2.4GHz)
(mobilecube)012345
・ 802.11 b/g (2.4GHz)
5 GHz のみ
対応のデバイス
× (mobilecube)012345
・ 802.11 a / n / ac (5GHz)
両方に対応する
デバイス
(mobilecube)012345
・ 802.11 b/g (2.4GHz)
(mobilecube)012345
・ 802.11 b / g / n (2.4GHz)
・ 802.11 a / n / ac (5GHz)

分かりにくいと思うが、図にするとこうなる。

Windows の標準機能では 2.4 GHz の (mobilecube)012345 はひとつしか見えないが、 inSSIDer で見るとちゃんと 2 本出てくる。 5 GHz のと合わせると 3 本検出される可能性がある。

これで良くわかっていなかった中継機能を正しく認識できた。

Updated: 2015/9/18 金曜日 — 11:55:55

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