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初冬キャン

雪山のテント泊がどれほどのものなのか、試してみた。

2010/01/09 Sat. – 泉ヶ岳寒中テント泊

火災報知機の点検がなければジャングルジャングルでパウダースノーを満喫できたはずのその日、昼過ぎに友人から「ナイス雪質」とかメールが届いて絶望した。人生に絶望した。

その後、何を思ったか、去年買って一度も使ったことがなかった「ドイター エアコンタクト 65+10」にテントやらシュラフやらを詰め込み始めた。

冬キャンやるつもりだ……

雪山装備など満足に揃ってもいないのに。より正確には、雪山に適したアイテムなど何一つ持っていないというのに。

ならばどうするかというと、シュラフは 0℃以上対応のものしかないので、化繊シュラフとダウンシュラフを 2 枚重ねれば暖かいだろうという浅はかな考えだし、マットは空気を入れて 2 時間後には空気が抜けてペラペラになるという事実を忘れているし、スノーシューはないし、この時点で夕暮れ時 ( 普通は早朝出発である ) だし。

それでも、この思いは負けない ( 誰によ )。

装備
種類 商品名 備考
テント Wild-1 TREK DOME2 2,200g くらい。薄手のブルーシート(色はシルバーだが)持参。
シュラフ Wild-1 Concept #3 化繊。1,400g くらい。適温 0℃~。
シュラフ ダウンシュラフ。名前不明。 500g くらい? 適温 8℃~。
マット エアマット 1,000g くらい?
インナーシート モンベル? テント内に敷き詰めるタイプのアルミ蒸着のシート。水漏れ対策にかなり便利。
バーナー ZIPPO ZI-999 WPS 高出力だがちょっとでかい。
ランタン プリムス IP-2245A 明るさの調整がしやすくていい。
OD 缶 250ml OD 缶 3 本 300 円くらいのガスボンベから詰め替えて使っている。雪山では使えない可能性もある。
シェラカップ SnowPeak チタンワッパーカップ クッカーの中に入る。
クッカー SnowPeak チタンパーソナルクッカーセット 330g 。基本的に、これで全てまかなえてしまう。
水道の水 2,000g。むしろペットボトルに入れるのが漢(ヲトコ)品質。登山装備で 1 泊するのに水 2L が必要なのは学習済み。
食料 2 食分程度 おにぎり×3、インスタント麺 2 食分
非常食 チョコバー 3 本 小枝とかのでっかいやつ。ミルク系など 3 種類。
その他 カメラ用品 K200D とか三脚とかリモコンとか。2,500g くらいはある。

全部で 15kg 以上にもなる荷物を担いで MR-S に乗り込み、「達居森と湖畔自然公園キャンプ場」に向かった。

彼のキャンプ場は大衡村の「陸上自衛隊 王城寺原演習場付近」にあるらしい。無料なのがいい。それが正義だ。

念入りに印刷した地図とロードマップを持参していたのだが……迷った。

ヤバイ。周囲はとっくに暗くなっていて ( 家を出るときからだが )、大まかにしか知らないキャンプ場を見つけるのは無理そうだと判断。かといってこのまま帰ってしまってはただの 4 号線往復ドライブである。そんな馬鹿な。

しょうがないので目的地変更。富谷まで引き返し、またしても泉ヶ岳 ( 登山装備参照 ) でキャンプすることに。

しかし、前回と同じ場所では芸がないので、泉ヶ岳登り口から七北田ダム方面へ向かってみた。二輪禁止の道路を進んでいると、街灯がなくなってあたりは暗闇に包まれた。シャーベット状の雪が積もった路面には、枯れ葉や枝なんかが落ちていて、どこまで続くのか分からない上に、アレが出そうな雰囲気にビビって引き返してしまった。森の中に光がないのは許せるが、街灯のない夜道を進むのは怖すぎる。

というわけで、やっぱり泉ヶ岳になった。芸がない男である。いつもの駐車場の端っこの方に車を停めて、森の奥の方へと分け入っていく。

寒さ対策は適当である。何しろ、思いついたのが数時間前のことで着替えすら持ってきていない。着ているのは、上がインナーから、ユニクロのヒートテック Tシャツ、ユニクロのフリース、コロンビアのボードウェアである。

下はストームゴーシュ アルパインパンツと、トレッキングシューズの組み合わせである。ストームゴーシュは、裾口を絞るゴムがついていて、それをトレッキングシューズのフックにひっかけ、雪が入らないよう工夫した。

雪の上を歩いていると、パンツがまくれ上がってしまった。靴下に雪が付着して冷たい。靴の中にまで雪が侵入してこないのは幸いだが、スパッツをつけるか、ボードウェアが欲しいところだ。

あまり奥まったところに入って遭難しては洒落にしかならないので、ここをキャンプ地とする。

早速テントを張った。

テントは去年 \12,000 くらいで購入した Wild-1 TREK DOME2 である。見た目アルパインっぽいテントだ。しかしパッケージには雪山での使用はやめてくださいとか書いてあった気がする。とっくの昔に捨ててしまったので、定かではないが。

ウィンター用アルパインテントは通常 \30,000 ~ \40,000程度、 GORE-TEX 製だと \50,000 は堅いのに、 \12,000 で買えるテントが冬山でどの程度使えるものか、実際に使ってみて判断しよう。

付属のアルミペグは、ふかふかの雪にはまるで意味を成さない。今回は無風状態だったため、張り縄・ペグなしで設営することにした。このテントはペグなしで自立するのが良い。強風時は、周囲に樹があるところにテントを設営して、四隅と入り口を張り縄で固定する必要があるかも。

※ 少なくとも入り口の頂点方向にだけは、ペグの代わりに張り縄をした方がいいだろう。そうしないと靴を置くスペースが作れなくなる。今回は三脚でスペースを作った。

テントを設営したら、アルミ蒸着のシートを敷き詰める。これは下からの冷気を遮断、浸水も防ぐ目的だったが、冷気には効果がないことが分かった。まあペラペラのシートだしね。ただし、雪が溶けたりして、下から水が染みこむ場合には絶大な効果を発揮するので、今後も必須だ。

ザック持ってテント内に入る。まずはマットを広げ、空気を入れる。次に化繊シュラフとダウンシュラフを広げる。ダウンシュラフの方が小さいので、化繊シュラフの中に入れた。そしてようやく食事の準備だ。

SnowPeak のチタンパーソナルクッカーセットの大きい容器に水 500ml を入れ、 ZIPPO の ZI-999 WPS という高出力が売りのガスバーナーにかける。

なお、 OD 缶のガスは、ホームセンターに売っているガスボンベ ( 一般家庭で使うような ) からブタンガスを詰め替えて使っている。本当はいけないのだが、自己責任で。詰め替え用の小さな器具はヤフオクで購入した。たしか \500 くらいだったかな? 自宅と、カトラリー ( 箸やスプーン等 ) 用スタッフバッグの中に常備している。

お湯が沸いたらインスタントラーメンを 4 つに割ってクッカーに放り込む。

ブタンガスを雪の上に置いて使用するのはかなり不安 ( 冷えると気化しなくなる ) だったが、問題なく沸かせたようである。

OD 缶を持ち上げてみると、缶に付着した雪が凍りついていた。長時間使用は不安があるので、雪山仕様のガス ( イソブタン、プロパンガス ) を何割か混ぜたほうが良さそうだ。

また、今回は無風だから良かったが、風が強いとウィンドスクリーンが必要になるかもしれない。

あるいはテント内で調理するか。テント内は火気厳禁だが、そこは自己責任という「それがどうした」「まあいっか」にも匹敵する便利な言葉がある。

※ ちなみに、テント内でバーナー使う場合は、バーナーパッドは必須だぞ。でないと、バーナーを揺らしてしまったときに炎が吹き上がってテントが燃えてしまうよ。テント内で火を扱う場合はバーナーパッドを使うこと。お兄さんと約束だ ( 誰だよ ) 。

そしてより安全にガスを使うために、テーブルを持って行くと良いだろう。テーブルがあるとかなり便利なのだが、ザック内の容量を圧迫してしまうのが悩ましい。

そんなことを考えつつラーメンとおにぎりでお腹もいっぱいになったし、いよいよ雪中二重シュラフを試すときが来たようだ。

泉ヶ岳スキー場の営業も終わり ( 写真ではまだ営業しているがそこはそれ )、静まり返った雪山は、空気が澄み切っている。これだ。これを求めていた。人気のない銀世界を堪能した。

余裕があるのも今のうちだけである。

前にも述べたが、マットがエア漏れを起こしていた。夜中目覚めると、マットから空気が抜けていて、体の下になった面がすごく冷たい。雪の上に寝てるのと変わらないのである。のろのろとシュラフを抜け出し、 2 時間ごとに空気を入れなおす私がいます。

マット大事

モンベルの U.L. コンフォートシステムパッド 180 を早いところ購入しようと思った。高いとか言ってられない。あと、銀マットも欲しい。かさばるけど、ザックの上に丸めてくくりつけておこう。

二重シュラフに関しては、マットさえちゃんとすれば大丈夫な気がする。ただし、朝起きたときに化繊シュラフの入り口 ( 顔に近い ) 部分が結露していた。テント内温度が氷点下のため、自分の吐いた水蒸気がシュラフの外に抜けたときに結露したものと思われる。ダウンの方は、シュラフの内側にあってある程度は温度が保たれていたためか、結露しなかった。

化繊はダウンと異なり、多少濡れていても保温効果は出る。また、この程度の結露であればタオルでふき取って乾かせるレベルだ。

ゆとりがあればモンベルのスーパーストレッチダウンハガー #0 が欲しいと思っている。 U.L. スーパーストレッチダウンハガー #0 でもいいのだが、ザックに余裕があることと、いつもの金欠病にかかっているので、買うとしても U.L. ( ウルトラライト ) を買うことはないだろう。

2010/01/10 Sun.

時間的には夜が明け、雪が軋む音で目が覚めた。寝ぼけた頭で、兎か狐が外をうろついているのだと思った。しかし、テントのフライから雪が滑り落ちる音だった。これだ。これを求めていた。しかし体は冷たい。

テントはペグや張り縄をしていなかったため、インナーテントとフライの接触部分が湿っているものの、不具合は見られなかった。

あとは強風時どうなるかだ。値段が値段なので、高いテントのように強風でもポールが持ちこたえてしまい、テントごと飛ばされてしまうことはなさそうなので、返って安心とも言える。

そして耐寒性に関しては、テント内が氷点下を下回るのは普通と思っているので、そこはシュラフで耐える作戦だ。そう考えると、モンベルのシュラフが欲しくなってくる。 \34,800 は高いが、死ぬよりはいいか……

エア漏れマットのせいで寒かったので、フライを閉めてインナーテントのチャックとベンチレーションを開放し、テント内で調理することにした。何も考えずにお湯を沸かしてはみるものの、食欲が出ない。

シェラカップでネスカフェ・プレジデントを堪能して胃が目覚めるのを待った。至福のひとときである。

珈琲を飲み終わってもさほどお腹は空いていない。普段朝ごはんを食べる習慣がないためだろう。おにぎりとスープだけ食べることにした。

食器の後片付けは、お湯ですすいでティッシュでふき取るだけ。これが山クオリティ。私は家に帰ってからちゃんと洗うが、このまま次の山歩きまで放置する人もいる。昔の日本も食器洗わなかったらしいが。

開始とは逆の順番でシュラフやマットを仕舞っていく。最後にテントを回収し、 6:30 頃に出発。

帰り道、何台かの車とすれ違った。従業員もいたが、ボーダーやスキーヤーもいた。まだ営業してないよ? 朝早くから気合が入っている。

向こうは向こうで、こんな朝早くに降りて来る奴を不思議に思っただろう。

雪キャンの感想

遭難しなかったし、熊も出なくてよかった。

福島か岩手にワカサギ釣りに行きたいが、ドリルを買わなければならないか……

バックカントリー ( 1泊 ) の目処も立ったが、スノーシューを買わなければならないし、ボード担ぐと 20kg 近くになるんだが……

雪山の反省点と必要な装備

  • テントのフライはピンと張りつめること
  • ペグの代わりに自在ロープが合ったほうが良い
  • 樹がある方向に入り口を向け、張り縄すること
  • OD 缶に雪山仕様のガス ( イソブタン、プロパンガス ) を何割か混ぜる
  • なるべくテーブル欲しい
  • エアマットの他に銀マットがあるとさらに安心
  • ボードウェア上下で OK
  • モンベル U.L. コンフォートシステムパッド 180 \10,000
  • スノーシュー \6,000 程度
  • モンベル スーパーストレッチダウンハガー #0 \34,800
  • ドリル \10,000 程度

装備の不足分をそろえるには \60,000 程度の投資が必要か……

今年はワカサギは無理かな。

次回持って行きたい食料の候補

  • 鍋焼きうどん
  • コンソメ系のスープ
  • カレー

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